ドストエフスキーの意外な一面?
今回はドストエフスキー著、安岡治子翻訳『白夜/おかしな人間の夢』のあらすじや感想を紹介していきます。
まずはひとこと、この作品…
難しいこと抜きにして、温かみがあって面白い!
ドストエフスキーといえば、『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』などの五大長編が有名。
有名ではありますが、五大長編はなんといってもとてつもなく長い…!
しかしこの『白夜/おかしな人間の夢』は、短くて明るくてちょっと切ない、優しさに満ちた短編でした。
“らしくない”ドストエフスキーに出会えて、五大長編とは違った感動を得られました。
この記事では『白夜/おかしな人間の夢』の面白いところなどを書いていきます。
あらすじ
この作品は、4つの短編からなる作品です。今回はその中の『白夜』と『百姓マレイ』のあらすじを紹介します。
ペテルブルクの夜、孤独で空想家の青年は、ある日少女と出会う。ふたりはお互いのこれまでの物語を語り出す『白夜』。
荒れた復活大祭で神経がズタズタになった29歳のドストエフスキーは、突然9歳の頃のある出来事を思い出す。再びあたりを見渡した彼の目には、先ほどとは違った景色が浮かんでいた…。
『白夜』は明るくて切なく、『百姓マレイ』は深い優しさに満ちた話です。
感想
この作品の特に面白いところは以下の3つです。
- 明るくてちょっと切ない『白夜』
- 深い優しさに満ちた『百姓マレイ』
- “らしくない”ドストエフスキーに出会える
ひとつずつ解説していきます。
明るくてちょっと切ない『白夜』
『白夜は』、ペテルブルクの夜を舞台に、内気で空想家の青年と少女の出会いを描いた中編です。
青年と少女はよく笑っていたのですが、どことなく切ない雰囲気を感じました。
僕が好きなシーンは、青年が少女に愛の告白をするシーン。
「そういうことなんです」とあっさりと告白してしまいます。
長い文章を書くドストエフスキーからしてみれば意外で、一番感動しました。
深い優しさに満ちた『百姓マレイ』
『百姓マレイ』は、荒れた復活大祭で神経がズタズタになった29歳のドストエフスキーが、突然9歳の頃のある出来事を思い出し、再びあたりを見渡した時に先ほどとは違った景色が見えたという話です。
この作品は深い優しさと愛情に満ちています。
突然思い出した9歳の頃のある出来事が、なんとも心がほっこりとするエピソードで、そしてその後荒れた復活大祭を見た時に、ドストエフスキーの目には違った光景が見えたという展開が素敵でした。
“らしくない”ドストエフスキーに出会える
ドストエフスキーの有名な作品の『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』は、長くて難しいという印象があると思います。
しかしこの『白夜/おかしな人間の夢』は、短くて明るくてちょっと切ない、優しさに満ちた短編です。
難しいこと抜きにして、温かみがあって面白い!
純粋に素敵な気持ちになれる作品でした。
好きなセリフ
これは叶わぬことですが、僕はあなたを愛しているんです、ナースチェンカ!そういうことなんです。さあこれですっかり打ち明けてしまった!
ドストエフスキーらしからぬ、実にあっさりとした短い告白に感動しました。
Amazonのレビュー
ドストエフスキーの違った一面が垣間見える
ドストエフスキーの思想のエッセンス
本の表題は『白夜』がトップにきているが、実は『白夜』以外にチョイスされた4編の
作品が秀逸な短編集です。
『おかしな人間の夢』『キリストの樅の木祭りに召された少年』『百姓マレイ』『1864年
のメモ』の4編は、いずれもドストエフスキーのキリスト教信仰と宗教観を率直に表現し
ている興味深い短編です。最後の『1864年のメモ』は小説ではありませんが、前の3作に
共通するテーマを別の形で敷衍、補足してくれる短文で、これらをチョイスし編集して、
一冊の文庫とした訳者のセンスが素晴らしいと思いました。「原罪」以前の無垢で純粋で幸福だった人間の魂のあり方を心から信じ、そこへ戻ること
だけが世界と人間の救いとなることを信じたドストエフスキーの心の叫びが、実に率直に
語られており、特に『おかしな人間の夢』は、この世に倦み疲れた人間の絶望と救済、そ
して再び真理のために生きようとする生命の復活が力強く語られており、読み手を強く励
まします。
まとめ
この作品は、深い優しさと愛情に満ちた4つの短編集です。
難しいこと抜きにして、温かくて面白く、
“らしくない”ドストエフスキーに出会えて、五大長編とは違った感動を得られました。
面白そうと思ってくれたら、ぜひ手にとって読んでみてくださいね!

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